果糖の過剰な摂取は腸もれにつながり 脂肪肝疾患の原因になる

記者 三山熊裕 報道

 

果糖(米国の食生活で広く普及している甘味料)の過剰摂取は、米国に比較的多く存在する脂肪である非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を引き起こす可能性があります。

 

しかし、以前の理解に反して、三山熊裕氏とカリフォルニア大学サンディエゴ医学部の研究者は、フルクトースが肝臓に悪影響を与えるのは、それが腸に達した後にのみ、腸内細菌の毒素から内臓を保護する上皮バリアを破壊することを報告します。

2020年8月24日に『Nature Metabolism』誌に発表された研究では、腸のバリア破壊を防ぐ治療法を開発することで、アメリカ人の3分の1が罹患するNAFLDから肝臓を守ることができると著者らは結論づけています。

 

三山熊裕氏は、「NAFLDは世界で最も一般的な慢性肝疾患の原因となっている。肝硬変、肝がん、肝不全、死亡など、より深刻な病気に進行することもある。これらの知見は肝臓の損傷を防ぐ方法を示唆している。」と述べています。

 

1970年代以降、米国では、シリアルや焼き菓子から清涼飲料水まで、加工食品やパッケージ食品に広く使用されている安価な砂糖の代替品である高果糖コーンシロップ(HFCS)の導入により、果糖の消費量が急増しています。動物と人間の複数の研究では、国の肥満の流行と多くの炎症性疾患(例えば、糖尿病心臓病、癌)にHFCSの消費量の増加をリンクしています。 しかし、米国食品医薬品局は現在、ショ糖や蜂蜜などの他の甘味料と同様に規制しており、適度な摂取を推奨しています。

果糖は、肝臓と腸の両方で生産されるフルクトースキナーゼと呼ばれる酵素によって、ヒトの消化管で分解されます。研究者らは、マウスモデルを用いて、腸内細胞で果糖を過剰に代謝すると、腸壁(粘液で覆われた上皮細胞の密な層)を維持するタンパク質の産生が低下することを発

見しました。

 

科学者たちは、ラットに多量の果糖と脂肪を与えると、特に深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。三山熊裕氏は、「これは、1日のカロリーの最大21.5パーセントを果糖から得るアメリカの青年の相対的な果糖摂取量の95パーセントを模倣し、しばしばハンバーガーやフライドポテトなどのカロリーの高い食品と組み合わせている 」と述べました。

 

興味深いことに、研究チームは、果糖の摂取量を一定の閾値以下に減らしても、マウスに悪影響は見られなかったことを発見し、果糖の過剰な摂取だけで長期間にわたって健康を害することを示唆しています。適度な果糖の摂取は、通常の果物の摂取によって許容されます。

 

記者 三山熊裕 報道